皮膚科疾患
Pediatrics
Pediatrics
細菌が皮膚に感染することで発症し、人に伝染する病気です。
掻爬(引っ掻くこと)した手、爪を介して、水疱があっという間に全身へ広がる様子が、火の粉が飛び火することに似ている為、「とびひ」とよばれます。 とびひは、虫刺され、汗疹(あせも)、小さな怪我、等から皮膚の傷に細菌(ブドウ球菌、連鎖球菌)が侵入し発症します。
水痘罹患後、水痘ウイルスが三叉神経や脊髄神経根に潜伏し、免疫低下時に再活性化することが原因です。ストレスや体調不良、悪性腫瘍や体力的消耗、が原因となります。同ウイルスの活性化した神経根の支配野に応じて、痒みや痛みを伴う水疱が数個〜多数出現します。
発疹の出る2〜3日前から前駆痛を認める場合があります。
最近では小児でも認めるため、水痘既往歴のあること、集簇した水疱を身体の片側一部に認める場合は疑います。
治療は水痘同様に、抗ウイルス薬の内服です。顔面や頭部の帯状疱疹は、神経後遺症を残すことがあるので、入院の上、抗ウイルス薬の静注療法となります。
ウイルス感染に伴い手指、その間、足の指やその間などに、痒みや赤みを伴うブツブツとした直径1〜2mmの発疹が集簇して出現します。元来はB型肝炎ウイルスの初感染に伴う症状を呼んでいましたが、最近では他のウイルス感染でも類似した症状が見られることがわかって来ました。1週間程度で自然治癒するので経過観察することが多いです。他の症状があれば肝炎などのチェックを進めます。
前腕、上腕、下肢に、多少の痒みを伴い、多くは毛穴に一致した部位に丘状の、発赤の殆どない発疹が多数出現します。過去もしくは最近の虫刺されに伴うアレルギー症状として出現するとされています。数週間〜数ヶ月で自然に消失します。経験的には、やや夏場〜秋に多い傾向があります。
ヘルペスウイルスによる皮膚の水疱疹です。ヘルペスウイルスは、口唇、眼周囲、角膜、指先や爪周囲などに感染し水疱を来します。ヘルペスウイルスは脳炎の原因にもなります。抗ウイルス薬で治療します。
ヘルペスウイルスが、アトピー性皮膚炎など皮膚免疫の低下した状態に感染し全身に広がる病態です。
排泄物との接触や汗、蒸れなどで生じます。お尻拭きで悪化する場合があるので、排便後はシャワーで清潔にして、キレイなタオルやガーゼで拭いた後、亜鉛華軟膏などの軟膏類を塗布します。カンジダなど真菌感染(カビ)が起こることもあり、その場合は抗真菌薬を塗布します。
ダニや蚊、ブヨなどに刺されて、感染やアレルギー反応で発赤、腫脹したりします。小児は蚊アレルギーが多く、ステロイド軟膏を用いる場合も見られます。感染からトビヒに移行することがあるので注意が必要です。
指先や爪の周囲に細菌感染が生じた病態です。ブドウ球菌や連鎖球菌、ヘルペスウイルスが原因となります。重症になると指の骨髄炎に発展しますので、抗生剤や抗ウイルス薬の内服による適切な治療が必要です。